厳しい冬の季節、特に気温が下がりがちな夜や早朝には、給水・給湯配管や給湯器内の水が凍結してしまうことがあります。
凍結してしまうと、お湯が出なくなってしまうだけでなく、給湯器の故障や水漏れの原因にもなります。
水回りの設備における凍結は非常に面倒でトラブルのもととなるため、冬場においては適切な対策を講じることが重要です。
この記事では、給湯器の凍結と故障の見分け方、凍結予防法、そして凍結してしまった場合の対処法と間違えた危険な対処法をご紹介します。
では、詳しく見ていきましょう。
お湯が出ない場合、まず確認すべきことは?
お湯が出ない場合、まず確認すべきことは以下の通りです。
1. 給湯器の電源が入っているか確認する。
電源が切れている場合は、スイッチを入れて再度試してみてください。
2. ガス給湯器の場合、ガス供給が正常か確認する。
ガスメーターが正常に動いているかチェック、またはガス供給会社に問い合わせてください。
3. 給湯器の表示が正常か確認する。
エラーコードや異常表示がある場合は、取扱説明書を参照し、対処方法を試してみてください。
4. 給湯器の設定温度を確認する。
設定温度が低い場合、お湯が出にくくなることがありますので、温度を上げてみてください。
5. 給湯器の水圧が正常か確認する。
水圧が低い場合、正常にお湯が出ないことがあるので、水道メーターや給湯器の圧力計を確認してみてください。
水圧が低い場合は、水道会社に連絡して修理してもらう必要があります。
専門家である吉ねこ佑友にご相談ください。
凍結なのか故障なのか、どうやって判断する?
給湯器の故障と凍結を区別するためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。
まず、給湯器の故障とは、給湯器自体が正常に機能しない状態を指します。
具体的な故障の兆候としては、お湯が出ない、燃焼がうまくいかずに火がつかない、異音がするなどがあります。
もし給湯器がこれらの症状を示している場合は、故障の可能性が高いと言えます。
一方、給湯器の凍結は、給湯器が冷え込んで凍る状態を指します。
給湯器が凍結している場合には、お湯が出ない、水漏れや水が凍っているなどの症状が現れます。
また、給湯器が室外に設置されている場合には、凍結の可能性が高いです。
給湯器の故障と凍結を区別するために、以下の点にご注意です。
1. 現象の確認: 給湯器が正常に機能しているかどうかを確認する。
お湯の供給や燃焼の状態などを確認し、故障の可能性を判断します。
2. 気温の確認: 給湯器が凍結している可能性がある場合には、室外の気温を確認する。
特に寒冷地などではハイリスクです。
3. 異常な症状の特定: もし給湯器がお湯を供給しない状態であれば、凍結の可能性が高いです。
また、異音や火のつかない状態などは故障の兆候となります。
給湯器まわりの凍結リスクが高い2ヶ所
水道管は通常、地下に埋設されるか建物内で配管されるため、外の空気との接触はほとんどありません。
ただし、給湯器周辺の配管は露出しているため、外部の気温の影響を受けることがあります。
特に寒冷地では、配管が凍結してしまうことが頻繁に発生します。
この状態では、給湯器に適切な水の供給が行われず結果としてお湯が出なくなってしまうのです。
凍結ハイリスク1.給水配管(水道管)
画像①の給水管(水道管)は、給湯器に水を供給する役割を担っています。
水が通るために常に外気の影響を受ける配管の中でも特に凍結が起こりやすい箇所です。
この配管は、水の温度が下がりやすい性質があり、外気の温度が低下すると水中の熱が奪われていきます。
その結果、水が凍結してしまうことが頻繁に起こるのです。
凍結ハイリスク2.給湯器本体内部の配管部分
画像②の給湯器本体内部にある配管部分です。
その中でも特に黄丸の給水配管と接する部分も同様、金属製なので凍結する可能性が高いです。
給湯器の凍結予防方法5つ
ここからは、給湯器の凍結を防ぐための予防対策をお伝えします。
予防対策1.給湯器の設置場所を適切に選ぶ
露天の場所や風通しが悪い場所は凍結しやすいため、屋内や屋根の下など本当は室内に設置できる場所が望ましいです。
ですが、すでに設置済で移動が不可能な場合は、外部からの冷気の流入を防ぐカバーなどを設置することも効果的です。
予防対策2.給湯器とその周辺を断熱材で保温
給湯器からの給水管や配水管とそのまわりのパイプを十分な断熱材で包み保温、専用の保温カバーを使用するのも効果的です。
保温することにより外部からの冷気の流入を防ぎ、凍結リスクを低減することができます。
予防対策3.防凍機能を活用する
一部の給湯器には凍結を防ぐための機能が搭載されていて、外部温度が低下した際に自動的に給湯器内部の水を循環させることで凍結を防ぎます。
また、追い焚き機能が付いているお風呂給湯器には、凍結防止機能が装備されています。
この機能は、追い焚き配管の凍結を防ぐために、ポンプが自動的に浴槽の水を循環させる役割を果たします。
循環させることで、水の流れが止まらずに循環することで凍結しにくくなります。
このため、追い焚き機能を使用する場合には、残り湯を循環アダプターよりも高い位置に約5cm以上残しておいてください。
予防対策4.お湯の蛇口から水を出し続ける
よくスキー場の屋外トイレへ行くと、手を洗う水道から少量だけ水が出ていて、張り紙に『凍結防止のため水を止めないでください。』と書いてあるのを見ます。
それと同じ原理で、給湯器の場合はお湯の蛇口から少量の水を流しておき、凍結を防止しましょう。
そして、リモコンがある場合はリモコンの電源を切り、
リモコンがなければ給湯器のガスの栓を閉めましょう。
予防対策5.給湯器内の残り水を排水する
給湯器が一時的に使用されない場合や、長期間の不使用時は、給湯器の内部に水が残っている恐れがあります。
この水が凍結すると、給湯器に損傷を与えることがあります。
念のため、給湯器内の水を定期的に排水してください。
以上のような対策を講じることで、冬季における給湯器の凍結リスクを低減することができます。
それでも凍結してしまった場合と、間違った危険な対処法
ここまで、給湯器が凍結するのを防ぐための対策について詳しく説明しました。
本章では、対策を講じていても給湯器が凍結してしまった場合や、インターネットなどで見かける誤った対処法についてご説明します。
給湯器が凍結してしまった場合は、まず冷静に、そして解凍する必要があります。
間違った解凍方法
そんなときはどうしたらいいの?
凍結した給湯器を強制的に解凍する。
その為には、ホットタオルやホットウォーターボトルを使って冷却部分を温めることが有効です。
ネットに載っている絶対に行ってはならない方法
給湯器にお湯をかける、ドライヤーで急激に温める、炎で温める、氷を叩くと早くに使用できます。
上記の方法は、給湯器の配管を破裂・破損させる原因となりますので絶対にNG行為です。
また、かけたお湯が冷めて拭き取りが不十分だと再凍結のリスクが高まります。
正しい解凍方法
何もせずに待つことが最も安全な方法です。
解凍には時間がかかることがありますので焦らずじっくりと行ってくださいね。
そして、お湯の蛇口から水が出るようになったら、給湯器や配管からの水漏れがないか確認してから使用してください。
水漏れを放置すると水浸しなどの問題が生じる可能性があります。
給湯器のメンテナンスや対策方法に自信がない場合は、吉ねこ佑友にご相談ください。