「ブロック塀の危険性」と「補助金の重要性」について、皆さんはご存知ですか?
ブロック塀は、劣化や地震・台風などの自然災害によって倒壊する危険があります。
約5年前、大阪で発生した震度6弱の地震により、ブロック塀の倒壊によって2人の女児を含む6人が命を落としました。
この地震は都市直下型地震だった為、国や自治体は危険性を認識し、その結果、政府は耐震基準の見直しを進め、自治体も積極的に耐震化工事を行うための補助金を出すようになりました。
今回は、ブロック塀がもたらす危険性と補助金について詳しく解説します。
この記事が、防災・減災意識の向上に繋がり、将来の災害に対してより備えられる社会の実現に一役買えれば幸いです。
ブロック塀がもたらす危険性とは?
本章では、コンクリートブロック塀がもたらす危険性について詳しく解説します。
ブロック塀は、安価で手軽に建てられるため、住宅街や公共施設などでよく使用されていますが、その一方で様々な危険性をもたらすことがあります。
約5年前に起きた非常に痛ましい事故のブロック塀を調査したところ、この塀は建築基準法に違反していたことがわかっています。
建築基準法では、高さを「2.2メートル以下」と定めていますが、このブロック塀は3.5メートルもありました。
更に、1.2メートルを超えるブロック塀には、一定の間隔ごとに控え壁(補強材)を設置しなければいけないのですが、この壁には控え壁が設置されていませんでした。
また、1.2メートルを超える高さのブロック塀には、鉄筋が入ることも法律で定められていますが、縦横に13ミリの太さの鉄筋が入っていただけで基礎部分には30センチほどしか入っていなかったそうです。
つまり、ブロック塀と基礎部分の接合に問題があったのです。
更に、野積み工法(モルタルやコンクリートでブロックを積み上げるだけのもの)と呼ばれる方法で作られていたので、高さが低くても崩れるときにはバラバラになり非常に危険なものでした。
高さがあるほど倒壊の被害が大きく、危険度が増します。
鉄筋の入っていないブロック塀は、特に地震の際には注意が必要です。
桐生市のブロック塀等撤去補助金について
令和4年版|第3期耐震改修促進計画 危険ブロック塀等撤去補助金
令和4年4月20日(水)より、危険ブロック塀等の改修や撤去に補助金(費用の一部補助)が利用できます。
※注:募集期間内でも予算40万円に達した時点で終了になります。
令和4月28日(木)時点で残り1件でしたので、これからお申し込みされる方は恐らく使えない可能性があります。
詳細は、市役所のご担当者様へお問い合わせください。
【NEW】令和5年版|耐震改修促進計画 危険ブロック塀等撤去補助金
1.概要
撤去費用の3分の2以内、最大8万円の補助。
2.期間
令和5年4月20日(木曜日)午前8時30分 ~ 令和5年11月30日(木曜日)午後5時15分
※予算に達した時点で募集を終了。
3.募集件数
予算40万円の範囲内で5件程度
補助の金額
8万円が上限
- 撤去工事費の3分の2以内
- 塀の長さ1メートル当たり1万円
4.対象者
- 桐生市に所有する個人、または所有者から同意を受けた人
- 市税等の滞納がない人
- 暴力団員等でない人
上記のいずれにも該当する人
5.補助対象工事
避難路に面しているもの、次のいずれにも該当する撤去工事(一部または全部)
- 長さ3メートル以上
- 高さ1メートル以上
- 必要な資格等を有する市内業者に請け負わせること
引用:桐生市役所|危険ブロック塀等の撤去に関する補助金 対象となる壁の主な条件
- 建築基準法第42条で定義される道路
6.補助対象外工事
- 補助金交付決定前
- 都市計画法第29条に規定する工事
- 販売目的
- 法人所有
- 国や公共団体が行う工事
- 公共事業の補償の対象
- 2回目
- 他の補助金と重複
- 市長が不適当と認めるもの
安心してご依頼ください。
補助金を受け取るために必要な手続きと条件
1.補助の条件
- 適切な廃棄物の処分
- 新たな設置する壁は建築基準法適合
- 交付決定日より30日以内に工事に着手
- 完了報告は完工から30日以内の日または当該年度の2月末日までに提出
2.申請方法
補助金交付申請書(様式第2号)と以下の書類を添えて提出します。
※注:共有または相続財産で、同意を得られない場合、紛争等に関する誓約書(様式第1号)を提出。
- 市税等に未納がないことを証明する書類(発行後1か月以内の完納証明書)
- 相続人が申請する場合、所有者の戸籍謄本等(申請者との関係が分かるもの)
- 共有者もしくは相続人全員または所有者等から承諾を得る場合、同意書を提出(様式第3号)
- 見積書の写し
- 見取図(住宅地図等)
- 図面(詳細が分かるもの)
- 写真(詳細を撮影)
- 市長が必要と認める書類
※尚、ここでお伝えする情報はすべて2022年4月時点の情報に基づいています。
施行されている制度の詳細や要件、または募集開始や締切については、変更になることがありますので、最新情報は管轄の市町村のホームページ等でご確認ください。
危険ブロック塀の崩壊、誰が責任を負う?
本章では、事故が起きた場合、誰がその責任を負うのかを解説します。
民法717条
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
ブロック塀の所有者の責任です。
実際に、2016年4月の熊本地震でもブロック塀倒壊による死傷者が出ており、この事故の遺族の方々はブロック塀の所有者を相手取り損害賠償を求める民事訴訟を起こしています。
【費用公開】危険ブロック解体を補助金で行なったモデルケース
ここからは、吉ねこ佑友で実際に桐生市某所にて補助金を使い危険ブロックを撤去した実績を詳しくご紹介します。
こちらのブロック塀は、老朽化が進み、地震などの災害によって倒壊する可能性がありました。
リスクを早い段階で特定し、適切に解体することは住民や周辺地域の安全を確保する上で非常に重要なことです。
解体作業には専門知識や技術が必要であり、それに伴う費用も高額になる傾向があります。
しかし、補助金制度を利用することで、その一部を補填することができるため、負担を軽くすることができます。
◆解体工事費用
解体費 | 約25万円 |
補助金額 | 全額8万円(撤去工事費用の2/3) |
お客様負担額 | 約17万円 |
※上記の表は、施工日数や解体の方法、どのようなタイプのブロックか、施工場所、環境などによって費用が異なります。
※実際に、危険ブロック撤去・解体工事をご依頼いただく際には、まずはお客様のご要望を丁寧にお伺いするうえで、お見積りを作らせていただきます。
その上で、お客様個々の予算や制約といった事項を考慮し、それに最も合った提案をさせていただきます。
安全な生活を送るために今すぐ行うべきこと
安全な生活を送るためには、日頃から防災意識を高め、地震に備えることが必要です。
いつどこで起きる分からない自然災害。
人の力では発生を防ぐことはできませんが、減災は私達の努力でできることです。
自分自身や周りの人たちと共に、危険ブロック塀から身を守り安全な生活を送りたいですね。
「今はまだ大丈夫」だとしても今一度、倒壊の危険性がないかご自宅の周りのブロック塀を定期的にセルフチェックしましょう。
セルフチェック後、危険ブロック塀に該当したら吉ねこ佑友にお問い合わせください。
※亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の方々に、心よりお見舞い申し上げます。