今年4月1日より、アスベスト(石綿)含有建材の事前調査結果の報告が義務化になりました。
出典:一般財団法人 日本機器検査協会 アスベスト調査
アスベスト(石綿)含有建材の事前調査結果の報告の義務化に伴い、厚生労働省は【石綿事前調査結果報告システム】によるオンライン報告を3月18日よりスタートする事を発表しました。
今回は、私のようなアスベストに全く馴染みがなく、TVで名前を聞いた事がある程度、一体どんな物なのか見てもわからない。という方にもわかりやすく解説したいと思います。
では、詳しく見ていきましょう。
アスベストによる健康被害を防ぐ為に規則が一層強化されました。
アスベストってなぁに?
天然でできた鉱物繊維【石綿(せきめん)(いしわた)】で、建材の原料や工業製品として非常に優れた適格性を有している物質。
石綿の特性
- 極めて細い繊維
- 加工しやすい
- もえない
- 丈夫で変化しにくい
- 引張に強い
- 混ざりやすい
- 電気を通しにくい
- 安価
使われている部位
とても便利な万能建材なので、壁の吹き付け材やスレート材、自動車のブレーキパッド、保温材、防音材、断熱材など建築物に広く使用されていました。
出典:国土交通省 目で見るアスベスト建材 アスベスト含有建材の使用部位例
適切な石綿対策
日本は1960年代に高度成長期を迎え、建物の壁の吹き付け材や建材としてアスベストが大量消費されましたが、被害が各地で報告されるようになり、1975年にはアスベストの吹き付けの使用が禁止、2006年9月には0.1%を超える含有製品の製造・使用などが禁止となりました。
現在では一切の製造・輸入・使用・譲渡・提供が禁止となっています。
しかし問題は、1960年~2006年までにアスベストを含む建材が使用されている建築物は全国で約280万棟も有り、そしてこれらの解体時期が2028年頃にピークを迎えると予測されること。
解体の際、住民や業者が石綿による健康障害を防ぐ為、適切な飛散防止対策を行うことが新たな課題となり今回の法改正となりました。
事前調査
アスベストの規制は年々厳しくなる傾向にあります。
石綿障害予防規則等の一部改正に基づき、2022年4月1日以降は100万円以上のリフォーム工事でも届け出の対象となりました。
【報告対象となる工事】
※石綿の有無によらず以下のいずれかに該当する場合には報告が必要です。
- ① 解体部分の 延べ床面積が80㎡以上の建築物 の解体工事
- ② 請負金額が 税込100万円以上の建築物 の改修工事
- ③ 請負金額が 税込100万円以上の特定の工作物 の解体または改修工事
- ④ 総トン数が 20トン以上の船舶(鋼製のものに限る)の解体又は改修工事(※令和4年1月13日厚生労働省令第3号により追加)
又、2023年10月1日以降はアスベスト事前調査をおこなう者が【有資格者】に限定されます。
吉ねこ佑友では、規制が厳しいながらもしっかりとした対応をして参りますので安心してご依頼くださいね。
石綿ってこんなヤバイやつ!!
学生の頃、体育館の天井に挟まったボールに次々とボールを当てて落とす、なんて事をやりましたよね?
落としたいのに、気づけば2個3個…とどんどん挟まって先生に怒られるっていうね・・・( ;∀;)
その時は、挟まったボールを落としたい一心で無我夢中で皆でボールや他の物を投げて、ぶつけていましたが、今考えると非常に危険な行為だったのです。
天井やボールにHITするとパラパラと白い粉のような物が落ちてきた記憶があります。
アスベストが危険なのは、空気中に飛散する状態なのです。
その飛散した、肉眼では見ることができない極めて非常に細いアスベストを吸入してしまうと、肺胞に沈着、肺の組織内に長く滞留するのです。
長く滞留したアスベストが原因となり、肺の線維化や肺癌、悪性中皮腫などの病気を引き起こすと言われています。(WHO報告)
調査して安心を買う。アスベストはある?ない?
2006年以前の建物なら要注意です。
2006年にアスベストの含有基準が引き上げられたことにより、アスベスト含有建材かという判断が非常に厳しくなっています。
現在、解体工事対象となる建物は2006年以前に建てられたものが多いので、まずは工事前にアスベストが含まれていないか調査をご依頼ください。
すぐにリフォームや解体工事を考えていない2006年以前の建物でも調査だけは実施しておくと安心ですよ。
安心の有資格者が在籍しております。
軽微な建設工事に該当するリフォームは無資格でも工事ができますが、弊社には【二級建築士】や【石綿作業主任者】が在籍しております。
業務内容に即した資格を持っている者が複数おりますので安心してご相談ください。
飛散性が高いアスベスト。見落としがあってからでは遅い!
何度もお伝えしますが、経年劣化や自然災害によって吹き付けたアスベストが崩れ落ち、空気中に飛散する状態が危険なのです。
アスベストそのものが形のまま身近にあるのは危険ではない、即ち、空気中に飛散しなければ健康被害をもたらす事はありません。
一番怖いのは、アスベストが使われていると知らずに解体・リフォームをしてしまい、広範囲に飛散して作業員だけでなく周辺の住民の皆様にも被害が及ぶことです。
吉ねこ佑友では、事前調査を徹底し、適切な処理を行うことでアスベストの飛散を防止します。
安心して生活する為にも、少しでも不安に思う事があれば早めにご連絡ください。